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憧れの「古材」

「古材」
ゆっくり長い時間をかけてしっかりと乾燥された木材は、
間違いなく理想の木材です。

1 棟の古民家からどれくらいの「古材」が取れるのかとい うと、
実は 7 割は 10 本以下しか採取さ れていません。
まったく古材が取れない 古民家も5%ほどありますが、
実は20本以上取れる古民家の方が、
まったく取 れない古民家の数よりも少ないのが現状です。
古民家として残っていれば、豊富に「古材」が取れるわけではありません。
あたりまえのことですが、再利用できるだけの品質が求められます。
「古材」の約半数 は、小屋組みなどで使われていた丸太の梁です。
さらに角材を合わせると、梁材が全体の 8 割となります。
柱よりも梁の 方が傷みにくく、
さらに再利用する際に も使いやすいので流通されています。

では
「古材」にはどのような樹種の材が 多いのでしょうか?

流通している「古材」の 6 割以上がマツ材です。
曲げることに強いので、古くから梁によく使われていました。
他にはスギ材やヒノキ材などの日本 を代表する針葉樹があります。
広葉樹の中ではケヤキ材が約 1 割あり ます。
丈夫で美しさのあるケヤキは、大黒柱に使われていることが多い材です。

新しく目的のために製材された木材とは違い、
1 本 1 本が全く違う個性を持 った「古材」を、
新築やリフォームの中でどのように生かしたら良いのでしょうか?

実際に使われている事例の中では、約半数が構造材として活用されています。
その他の用途では造作材や化粧材として使われています。

大手メーカーでは保証を言い訳にして、定められた部品しか使いませんが
地域に根ざした企業では、それなりに対応を検討してくれます。
もともと住宅はさまざまな部材を、現場で組み合わせてつくり上げるものです。
しっかりとした職人さんの技術があれば、難しいことではありません。

木造の歴史と伝統を持つ日本では、
先人達が残してくれた本物の「古材」が多くあります。
「古材」は木材の宝石です。

「古材」をふんだんに使える日本の住宅は世界から見ればあこがれでもあります。
それができることを再認識して「古材」心から味わってみてください。

 

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。