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「自然志向」

「自然志向」という言葉に対して、
心地よい響きを感じる方も少なくないと思います。
現にオーガニックなど注目を集めています。
「オーガニックを中心に取り扱っている
都会的でおしゃれなレストラン・・・」
この言葉というのは、
あまり違和感なく
受け入れることが出来る人がほとんどだと思います。
しかしながらこの中には、
「都会」と「有機栽培(自然)」という二つの相反する言葉が、
共存しているのです。
この二つの言葉が共存すること自身は、
決して悪いことではありません。
しかし、この二つの言葉が共存していることに
感覚がマヒしてしまうとどうなるかということを想像してみましょう。
例えば、
「緑深い山々が続く中に突然現れる太陽光パネルがぎっしり並んだ風景」
太陽光発電は、
自然エネルギーとか再生可能エネルギーとして
地球環境を守る重要な役割をしています。
しかし、その施設を建設するプロセスとして
山を切り開き樹木をすべて伐採し、山肌を露出させ人工構造物を並べる。
さらには、住んでいた昆虫や動物の棲みかを奪い土地を痩せさせる。
その目的が、エコロジーという名のもと
「地球環境保護」「人類の未来を守る」・・・
この現実をどうとらえるかという感性・・・
自然との距離感にある意味直結しているのかもしれません。
また、このような例はいかがでしょうか・・・?
ゴミの分別は資源のリサイクルをするためには、必要なことです。
食べ物のソースでベタベタになったプラスチック容器を
プラスチックの素材としてリサイクルすることを考えた場合は、
まず容器の洗浄をしなければなりません。
その時には、洗剤を使うかもしれませんし、
洗浄するための水道水を使います。

リサイクルするためには食品と容器を分離するということは
必須になりますのでこの過程は欠かせないものになります。
本当は、洗浄することの環境負荷と
リサイクルすることとの効果とのバランスを図る必要があります。
さらに、焼却炉によっては、
高い燃焼温度を確保できるためにダイオキシンの発生についての
心配がない話というも聞きます。その一方で、
その燃焼温度を確保するために重油などの
石油製品を加えているという現実もあるそうです。
私たちの暮らす地球環境というものは、
非常に複雑で未知の部分もたくさんあります。
その中で、「自然」とか「環境」「エコロジー」というような言葉に
振り回されないためにも、
自分自身の身を自然の中に置いたうえで、
もう一度考え直してみることが必要かも知れませんね・・・。

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。