Skip to content

強い家を考える 1

今日から4回シリーズで「強い家」の考え方をご紹介します。

3匹の子ブタの童話を読むと、

藁の家と木の家とレンガ造りの家が出てきます。

藁の家と木の家は、狼に吹き飛ばされてしまいますが、

レンガの家は狼にも吹き飛ばすことができません。

この童話の中では、レンガ造りの家がいちばん丈夫な家として描かれています。

これらの童話が生まれた国では、

少なくともレンガ造りの家が丈夫な家のシンボルであることは間違いありません。

でも、実は木の家といっても、オリジナルの物語の中では、

木の枝を集めた家であり、それでは藁の家とも大差がありません。

また、壊され方も吹き飛ばされるのであれば、家の強さは重さで決まることになります。

簡単に水に浮くような藁や木の枝と比べて、

ずっと重たいレンガの家が風に強いのはあたりまえです。

これを地震に対する強さで考えると、単純な重さの比較とはなりません。

地震では逆に重たい建物ほど、より大きな力がかかります。

地震でかかる力は、慣性の法則で決まっています。

重たいものを動かすには大きな力が必要です。

同じように、動いているものを止めるのにも大きな力が必要です。

地震というのは、いやおうなしに地盤面が動いてしまうので、

重たい建物ほど大きな力がかかってしまいます。

もし狼が息で吹き飛ばすのではなく、

地面を揺さぶって3匹の子ブタの家を壊そうとしたのであれば、話は変わります。

藁や木の枝の家は軽いものですが、

レンガの家は重たいので大きな力で揺すられてしまいます。

実際の地震でも、

レンガや石積みの家が崩壊している映像を見たことがある人も多いでしょう。

特にヨーロッパや中国の地震では、多くの被害が出ています。

これらの国では、地震の際には真っ先に家を飛び出すことを考えます。

むやみに飛び出すなと教えられる日本とは、考え方が大きく違います。

石やレンガは丈夫なものだと思われますが、

重たい材料であるだけに、単純に積み上げただけではけっして安全とは言えません。

つまり、材料としての本当の強さを考えるためには、重さを考慮に入れなければなりません。

そして物の重さを比較するのには、比重があります。

同じ体積の水と比べたもので、

比重が1よりも大きければ水に沈み、1よりも小さければ水に浮きます。

( おうちのはなし 抜粋

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。