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強い家を考える 3

ピノッキオとフェロッキオには、

それぞれ寝転んで顔を上に向けて嘘をつき続けてもらいましょう。

ズンズンと鼻が伸びてゆくと、それだけ鼻は重たくなります。

やがて、自分の鼻の重さに耐えられなくなって

根元のところで押しつぶされてしまいます。

圧縮強度の限界に達する重さになるほど、鼻が長く伸びたのです。

次に2人には顔を下に向けて嘘をつき続けてもらいましょう。

やはり同じように、

自分の鼻の重さに耐えられなくなってちぎれてしまう瞬間がきます。

引張強度の限界となる長さになったのです。

もちろん、同じペースで鼻が長くなっていることが前提です。

どのような順序で、ピノッキオとフェロッキオの鼻は限界に達するのでしょうか。

それがちょうど、鉄と木の重さに対する強度の比較になります。

最初は、上を向いたフェロッキオの鼻が曲がります。

計算上ではフェロッキオの鼻は、およそ450mまで伸びています。

伸びた鉄の鼻の重さに、根元の圧縮強度が耐えられなくなったのです。

次に限界に達するのも、フェロッキオです。

下を向いた鼻は、およそ500mでちぎれることになります。

一方、ピノッキオの方も、やはり上を向いた方から鼻がつぶれます。

それでも鼻の長さは950mにも達しています。

木材の重さに対する圧縮強度は、鉄の2倍もの強さということです。

驚くのは、下を向いたピノッキオでその後もずっと嘘をつき続けます。

鼻の長さは、なんと2200mを超えてからようやくちぎれます。

ピノッキオとフェロッキオの鼻では、ピノッキオの方がずっと強いのです。

つまり重さに対する強度では、計算上では木の方が鉄よりも強いということ。

ちょっとイメージが変わるのではないでしょうか。

地震では重たい建物ほど大きな力で揺れますので、

できれば軽くて強い材で建物をつくった方が良いことになります。

このように重さである、

材料の比重当たりの強度のことを「比強度」といいます。

データでは、木は鉄に対して比重で約20分の1しかありません。

これに対して、強度は引張で約4分の1、圧縮では約10分の1です。

これらの数値から比強度を計算してみると、

引張強度では約4.5倍、圧縮強度では約2倍も、

木材の方が鉄より強いことがわかります。

(おうち話し 抜粋

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。