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「住育」の定義

日本の新築住宅の平均寿命がわずか25年から30年なのは、住まい手に補修・修繕して長く住もうという意識が薄く、修繕計画のないままに安易に建ててしまったり、世帯変化に絶えられない作りであったりして、使い勝手が悪くなって作り変えてしまうからです。私は将来の使い勝手に配慮した家をしっかり作り、しっかり手入れすれば長寿命住宅は可能と考え、当社で研究を重ね200年木造住宅は開発成功の一歩手前まで来ました。

 「建築基本法」もあと2~3年で出来、住まいは資産価値のあるものを作り長く住まうことが方向づけられます。欧米では絶え間ないメンテナンスによって、住まいの価値が上がり、売る場合にも高く売れるので、メンテナンスを苦にせず行うので、住宅の寿命100年は当たり前なのです。200年、300年も不可能ではないと思います。日本の木造住宅は神戸の箱木家に見られるごとく1000年も立ち続けています。世界に冠たる長寿命の木造建築の歴史があるのに、現代の木造住宅がこんなにも短命なのは誠におかしなことだと思います。

200年住宅は、技術と手間を掛けることで実現することが可能です。ブームや流行で終わるような形だけの200年住宅の推進にしてはいけないのです。私は、「日本の文化」として捉えて取り組むべきだと考えています。
今から200年持つ住宅を新築するよりも、現存するいい建物を再利用する方がより大事です。
また新築するにしてもその使われていた「伝統資財」を再活用して新築するべきと考えます。

 木造住宅の寿命を延ばすポイント
古民家に学んで、木造住宅の寿命を延ばすポイント考えて見ましよう。

 1、 芯までしっかり乾燥した骨太の構造材を使う(芯まで一律17%程度まで乾燥した大断面の木を使用する)。

2、 しっかり耐久性のある鉄筋コンクリートの基礎を作る。

3、 透湿シート(タイベックス)を用いて結露が生じないようにする。

4、 雨仕舞いの良い造りにする。

5、 通気性の良い家にする。

6、 断熱材(セルローズファイバーが最適)を十分に使用する。

7、 部材交換性・間仕切り可能性を配慮し、世帯変化に対応するものとする。

8、 良くデザインされた美しい家であること。

の8つがあげられます。以下に補足説明しましょう。

まず、骨太の芯まで十分均一に17%程度まで乾燥した構造材を使用シ、ダクタイル鋳鉄製の金物を使用し、プレカット木材をしっかり組み上げることがポイントです。て刻み加工は都会地ではできる大工がいなくなりましたは。集成木材に関しては時代が集成材一色になりつつありますが、集成材の木組みの寿命は100年は無いと思われます。手間隙掛けて天然乾燥と低温機械乾燥を併用して作り上げる芯まで一様に乾燥させた優れ無垢材が間もなくできます。本物の木組の方が寿命は長いでしょう。機械乾燥には「愛工房」の電気窯乾燥が一番優れていると思います。歴史が短いですから不明部分はあります。なんでもそうですが、すべては50年、100年という歴史が証明してくれます。

現在当社は、「大断面無垢東濃加子母檜長寿寿命住宅」に取り組んでいます。調湿性があり薫り高い無垢の加子母檜の家は本当に最高です。

炭素の固まりである木材を使用することは、地球上で温室効果ガスを減らし、光合成をするのは植林されてから50~60年までの若木であり、戦後植林した森林は今まさに活用される時期に来ています。それが外国木材より高価という理由だけで使用されず、わが国の森林は荒れ果てています。

光合成により炭素の塊となっている木を活用し若木を植林することが、二酸化炭素を減らし地球温暖化阻止に役立ち、地球環境保全に貢献するのです。地球環境破壊は人類の生存を脅かす重大な問題であることを、しっかりご認識頂きたいと思います。

次に、それを支える鉄筋コンクリート基礎をしっかり作ることが大事です。現状の基礎ではせいぜい100年くらいしか持たないと思われます。高炉セメント、砂利、砂、水に工夫を加え、鉄筋も溶融亜鉛メッキ鉄筋を使用し被覆厚さも8cm程度に十分取り、スランプ12の固練りのコンクリートをしっかり打設し、基礎の表面に水ガラス(パールX)を塗ることで、200年は持つと思われます。コンクリートの中性化について更なる研究が必要です。コンクリートが中性化しても、鉄筋の周りの湿度が80%以下なら錆びないという証明もあります。

断熱材もきわめて大事です。セルローズ・ファイバーより優るものはありません。絶対にグラスウールは使わないでください。グラスウール透湿しないビニールで梱包してありますので、水蒸気を全く通さず、温度差で結露し真っ黒になって重みで垂れ下がり断熱材の役を果たしません。セルローズ・ファイバーはイニシャルコストは少々高いのですが、暖房も冷房もなしでも生活でき、ランニングコストが少ないので10年でトータルでローコストになります。耐火性、遮音性もありベストの断熱材です。これも50年たってその価値が実証されると考えています。日本の建築家は温熱環境の勉強が全く不足しています。水蒸気理論も、結露理論も全く知らない建築家が多すぎます。日本はドイツを初め、欧米先進国よりずっと遅れています。40年後進国だと感じます。ドイツのWUFYha50年の歴史があり、ドイツ国内を地域ごとに細かく区分して温熱環境評価をしています。これをしっかり学ばないと古建築の環境を向上する改修設計はできません。

ビニールクロスも使用しないでください。ビニールクロスは火災で有(猛)毒ガスを出します。住宅ではなく「獣宅」になってしまいます。グラスウールとビニールクロスが日本の現代木造住宅が25年しか持たない犯人なのです。

雨仕舞いに関しては、高温多湿で雨の多いわが国では、屋根を急勾配にし、深い軒・庇を作る事が基本です。深い軒・庇は夏の暑い日差しを避け、冬は日が家の奥まで入って、暖かな家になるのは言うまでありません。パッシブハウスはきわめて合理的なものなのです。この基本は設計に活かしたいですね。

耐震については出来れば免震が望ましく、エアー断震も選択肢の一つでしょう。耐震、制震、免震、

断震まだ研究途上だと思います。ベストのものを択ぶのは大変難しいです。

現在当社は、構造材のみならず伊勢神宮遷宮使用材である美しい加子母檜を芯まで一様に乾燥させ、仕上げ材にも浴室にいたるまで使用して、リーズナブルな工事価格で作り上げる研究を重ねてきました。

次に、見えない部分の配慮として、通気性の良いことも大事です。壁通気、小屋裏通気、土台回り通気によって見えない部分の通気を良くし、室内に発生する水蒸気による結露を防ぎます。透湿シートを用いて水蒸気を排出すれば結露は全く生じません。腐朽、白蟻の被害を防ぐことが出来ます。床下は懐寸法を40cmは取り、天井の改め口も点検を容易にするために必ず付けるようにします。

冬暖かく夏涼しい家とするために、エアコンのヒートロスをなくし、冬の冷気、夏の暖気の影響を減らし、そのために、断熱材の効果的使用が大事となり。時に熱遮断材(プアリフレなど)も効果があります。

冷暖房はエアコン不要の光冷暖が画期的です。イニシャルコストは少々高いのですが、ローコストの研究が進んでいます。リースも考えられています。これももう少し普及して30年くらいたってみないと正しい評価は出来ないかもしれませんが、優れものであるのは確かです。

部材交換性と所帯変化対応については、骨組みは骨太の柱・土台(15cm)梁・桁〔幅15cm〕を使いしっかり組み上げ耐震・耐久性のあるものとし、部材も交換補給容易な作りとし、所帯数の変化に応じて部屋の広さを変更できるよう間仕切壁変更容易に造り、衛生設備室(浴室、便所、台所、洗面所など)と衛生機器交換容易な作りと工夫が必要となります。基礎コンクリートに「さや管」配管とする配慮などが必要です。

スケルトン・インフルと呼ばれる、フレキシブルな部屋広さ交換性が世帯数変化に対応するポイントです。メンテナンス、リフォーム、リニューアル〔機能向上〕容易な構造とすべきです。

すべて無垢材を使用し、外壁にはシラス・ソトン、あるいは陶器製の材料、内壁にはチャフ・ウォール、月桃紙などすべて天然材を使用するのがよいと思います。無暖房・無冷房・無結露の家となります。

そして何よりも大事なのは良くデザインされた美しい家であることです。人間は美しいものには、愛着を持って大事に使います。汚さない、そして汚れても美しい「きれい寂び」の「経年優化」・「経年美化」の家を作ることが肝心です。

建築積算士である私は、普及を考えてリーズナブルな工事費での実現を目指しています。

外観は町並み環境にフィットするように、出来れば屋根・外壁の形状と材料を揃え、歴史に残る町並みを作り、機能の向上は室内と設備機器を変えることで対応したいと考えます。

「大断面無垢材加子母檜長寿命住宅」はこれからの日本の住宅の進むべき道を示しています。

建築を文化と考え、当社はこの普及に努力したいと念願しています。

school-01 山本富士雄(東京都 武蔵野市)

色々な「作り手」の考え方が有っていいと思います。
そのような中から
「住まい手が学び、選択する力」を付けることが【住育】だと思います。

 

 

 

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
材木屋2代目として、今年材木屋の資格「木のソムリエ」という資格を創設しました。
材木屋に資格はいらいない!そう言われるのは、業界だけでユーザーからすると材木の専門家としてアドバイスしてもらえる方をどんどん排出していかなければ、このまま日本の林業も衰退する一方です。また日本の住宅に使用される材木も粗悪なものになりかねません。
一般ユーザーへ本当のコトを伝えてまいります。
建築業の方から嫌がられるかもしれませんが・・・。