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建物完成後に気付かないで

私達土地家屋調査士に建物登記のご依頼があるのは、その8割が工事完了時期。
つまり多くの場合、登記がいよいよ必要な頃になって、初めてお見えになる訳です。
でもその中で「事前に相談してくれてたら…」と思うことがよくあります。
たとえば…

ある施主さんから「A地に家を新築したので、登記をお願いします」のお電話。
建築確認済証、検査済証、引渡証明書……ひと通り必要書類は揃ってるようです。
現場を見に行くと素敵なお家が完成していました。
なぜか施主さんと一緒に、ハウスメーカーの営業さんも一緒にいました。
調査し始めると、明らかに柱間の距離や間取りが図面と違う部分がありました。
よくこれで検査が通ったなぁと思ったりもしつつ、ありのままを調査・記録します。
営業さんが私を監視するように後をついて来ます。
そんな時は大抵何かあります。
……なるほど。登記を要する隠し小部屋、発見。ごまかせ?…無理です。

たとえばその2。
お隣にはお父さんの土地(B地)があり、フェンスではっきり区画されていました。
でも登記されてる地積測量図や地図と、現地の境界標などをよくよく見比べると…
どう考えてもA地にあるべき新築建物は、B地に60cmほど越境して建っていました。
新築建物はキャッシュで建てられたそうだし、お身内なので簡単に考えてたのかも。
でもB地には5年前に建ったお父さんの家が、抵当権付きで登記されていました。
このままではA地と新築建物も担保に。仕方なく分筆と抵当権一部抹消で大出費。

真面目な業者さんにとっては「嘘だろ?」みたいな話ですが……残念ながら実話です。

理由や原因がなんであれ、結局最終的に嫌な思いをするのは施主さんご自身。
事前の相談は大切。でも相談相手選びはもっと大切。口だけ上手な営業さんで大丈夫?
問題に気付けないまま契約させられ、登記を依頼する段階で判明……では遅いですよ。
『住育』は住まい手側が正しい知識を得るために今こそ必要なことだと思います。
それは皆さん自身が営業トークに乗せられず、家族と資産を守るためでもあるのです。

「消費税が上がる前に」なんて煽り言葉に焦り過ぎは禁物です。