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【適材適所】知ってますか?

「適材適所」日本に馴染みの深い熟語で、
「それぞれ違う能力を持つ人材をその能力を最大限に発揮できるような地位に配置し起用すべき」という意味です。

この「適材適所」という言葉は
大工さんが、適切な木材を適切な場所に使わなければ建物が長持ちしない事を教える言葉からきています。

適材適所の意味合いを伝える最も古い文章は、【日本書紀】に載っています。

スサノオノミコトが、ひげを抜いて植えるとスギになり、
胸毛を抜いて植えるとヒノキになり、
尻毛を抜いて植えるとマキになり、
眉毛を抜いて植えるとクスノキになったといい、
スサノオノミコトは、この木々が成長したら、
スギとクスは船に、ヒノキは建物に、マキは棺材にするよう子どもたちに教えています。

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スギはまっすぐに生える姿からその名前が由来していると言い、
まっすぐな心をスギに例えて言う「心の杉」という言葉があるように、
その素直さが日本人に親しまれてきました。
軽くて引き裂きやすく柔らかいスギは、加工しやすく道具の調っていなかった頃はもちろんのこと、現在も構造材の主流です。

ヒノキは「火の木」の意味で古代にこの木をこすって火をおこしたことがその名前に由来していると言います。
「木はヒノキ」という言葉があるように、ヒノキは日本の木の中でも王座に君臨していると言っていいでしょう。
ヒノキはスギよりも堅く床材に打って付けです。
ただ、光沢があり、場合によっては目にはまぶしく感じることもあります。
壁材に使用する時は、配分を考慮するか、目に優しいスギを使うことも考えてはいかがでしょうか。

マキ、つまりコウヤマキは、スギと同じく加工しやすいことが特徴で、
かつ、水湿に優れていてスサノオノミコトが棺材に使用するように教えたのも、
湿度に強く長持ちするためだったのでしょう。その性質から今も浴室用材に使用されています。

大木に成長するクスノキは船材として使用されてきました。
古代では、丸太をくり抜いて船を造ったことも考えると、大きな船を造るには大木であるほうが有利だったのでしょう。

今の時代・・・工務店さんは「これらの大事」を知っているのでしょうか?
家を建てる時「作り手」に【適材適所】を確かめてみましょう!

適材適所でなくは・・・「住まい手」は将来後悔しますよね。

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。