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心遣い

男性は葬儀を終えた後
故郷の寺に納骨するため
羽田空港から空路九州へと向かった。

遺骨を機内に持ち込めることは知っていた。
でも入れたバッグがかなり大きく
念のため搭乗手続きの際に中身を伝えた。

機内に乗り込み
上の棚にバッグを入れて席に着くと
客室乗務員がやって来てこう言った。


「隣の席を空けております。お連れ様はどちらですか?」

搭乗手続きで言ったことが機内に伝わっていたのだ。
男性が「ああ、上の棚です」と説明すると
乗務員はバッグごと下ろしてシートベルトを締めてくれた。

飛行中には「お連れ様の分です」と飲み物も出してくれたという。

「最後に2人でいい“旅行”ができた」と男性。
その表情を見ていたら、こちらも温かい気持ちになった。

これを「心遣い」と言います。

Author Profile

井上 幸一
井上 幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。